会計士の転職

【公認会計士の転職】転職エージェントを使うメリット デメリット

 転職活動を始めようとする中で、このような悩みを持つ人もいると思います。

・あえて転職エージェントを使わなくても上手く転職できるのでは

・転職エージェントを使うと転職先に手数料が発生するので、採用されにくくなるのでは

 私の知り合いで転職エージェントを上手く活用して、転職に成功した公認会計士が多数おります。

 独立会計士として忖度なしに、公認会計士の転職における、転職エージェントを使うメリット、デメリットについてお話をしようと思います。

メリット① 案件を多数持っている

 公認会計士の転職には色々な選択肢があります。

・事業会社

・コンサルティング会社

・会計事務所・税理士事務所

・ベンチャー、スタートアップ  

・監査法人

 様々な選択肢がある中で、自分一人で転職先を探していくとなると、この転職先がベストなのかと色々と迷いが生じていきます。

 転職エージェントは、常時複数の案件を有しています。

 転職希望者の志向を聞いた上で、どの転職先がベストかということを検討した上で、転職希望者に案件を紹介します。

 複数の候補先から話し合いながら応募先を決めていくので、必然的に迷いがなくなり納得いく転職先が見つかることになります。

メリット② キャリア相談可能

 転職エージェントへの登録は基本的に無料です。

 転職エージェントの登録に際しては、どこかの機会で面談をすることになります。  

 転職エージェントとの面談には以下のメリットがあります。

・直近の転職市場の状況(買い手市場なのか、売り手市場なのか)が分かる

・自分の市場価値を客観的に把握できる(年齢、職歴、業務経験、語学等で、ある程度、想定年収や転職できる可能性が分かります)

・自分の優先順位(仕事を重視するか、ワークライフバランスを重視するか)が整理される

・自分が知らない転職先(業界)を知る

 また、公認会計士の転職事情に詳しい転職エージェントであれば、転職の成功パターン・失敗パターンが分かっております。

 優秀な転職エージェントであれば、転職の成功パターン及び失敗パターンから、今後のキャリア戦略を踏まえたアドバイスを行うはずです。

 目先の転職だけではない今後のキャリアへの展望が開けるはずです。

 逆に言うと、公認会計士の転職事情が分かっていない(業界知識を有していない)転職エージェントは利用すべきではありません。

メリット③ 入社時期の調整

 転職先に内定した場合、転職先企業としては、なるべく早く来て欲しいケースが多いです。

 一方で、監査法人であれば年間スケジュールがある程度、固まっており、半年先まで予定が決まっていることもあります。

 今やっている仕事を責任もって完了させてから転職したいという人もいると思います。

(個人的には、会計士の業界はムラ社会なので、最低限の義務を果たしてから辞めていくべきだと思います。業界内の評判は重要です。)

 もし、現状の仕事の区切りが良いところでの転職となると、内定先企業にある程度待っていただくことになります。

 その際に、自らが直接交渉するよりも、転職エージェントが間に入って交渉してもらった方が、話がまとまりやすい(角が立たない)です。

  転職エージェントを使うメリットとしては、このようなメリットもあります。

デメリット 成約手数料が発生

転職先の負担

転職エージェントを使用して転職が成約すると、転職先は転職エージェントに転職者の年収の約35%を支払うことになります。

 年収が1千万円であれば、350万円を転職エージェントに支払われることになるので、決して安くはない金額です。

 成約手数料が高いということは、仮に転職エージェント経由で応募者と、転職エージェントを経由しないで直接応募してきた人であれば、同じような実力・スペックであれば後者が選ばれる可能性が高いです。

 ただし、同じような実力・スペックが競合するということは稀です。

 また、企業も転職エージェントに案件を開示するということは、成約手数料を必要経費だと考えているので、転職エージェントを使うことが即不利にはならないです。

転職エージェント側の論理

 ビジネスモデルとして、転職エージェントには転職が決まらなければ(成約しなければ)一銭にもならない(お金が入らない)です。

 そうなると、一刻も早く成約させようとして、本人のキャリアアップにつながらないような転職先を紹介する恐れがあります。

 実際に、そのような転職エージェントもいるので注意が必要です。

 中長期的な視点で、公認会計士のキャリアを考えてくれるエージェントを選ぶことが大切です。

転職エージェントを使用しない転職活動

 転職エージェントを使用しない転職活動としては、以下のような方法があります。

JICPA Career Navi

 こちらは、会計士協会が運営している公認会計士及び公認会計士試験合格者向けの求人情報サイトです。

 こちらのサイトを利用するには、登録が必要になりますが登録料は無料で、成約手数料も発生しないので、公認会計士・公認会計士試験合格者であれば登録しておいてよいと思います。

 会計士内での知名度はそこそあるので、監査法人・会計事務所の求人が多いと思います。

知り合い経由(リファーラル採用)

 最近増えてきた採用形態で、ベンチャーやスタートアップ界隈では一般的になりつつあります。

 一般論として、1回や2回の面接だけで、全くの第三者である転職希望者の全てを判断するのは難しいです。

 リファーラル採用だと、同僚や先輩後輩からの紹介であると、転職希望者の能力や人となりがある程度担保されるため、圧倒的な安心感があります。  転職エージェントに高額な報酬を払うよりは、知り合いに紹介してもらった方が良いとのことで、監査法人・コンサルティング会社によっては、紹介者に云十万円を払う制度があります。

まとめ

 転職エージェントを使うメリット、デメリット、転職エージェントを使わない場合の転職活動について説明してきました。

 結論としては、転職エージェントのデメリットを頭に入れつつ、転職エージェントを上手く利用していけばよいと思います。(転職エージェントを経由しない活動も、必要に応じて加えておけばよいと思います。)

 登録は無料なので、まずは転職エージェントに登録して活動していくことをおすすめします。

 おススメの転職エージェントは、こちらの3社になります。

マイナビ会計士 :公認会計士の転職に特化したサービス。公認会計士の転職事情に精通しています。

JACリクルートメント :ハイクラスの求人情報が多数あり。外資系企業への転職に強いです。

MS-Japan :管理系に特化した転職エージェント。公認会計士のキャリア事情にも詳しいです。