監査法人で今年から働き始める者です。
修了考査に合格するまでは、監査法人で頑張って働くつもりです。
今後のキャリアの参考にするために、監査法人で働くことの負の側面(デメリット)を教えていただけますでしょうか。
独立会計士のモモタロウです。
大手監査法人を経て、現在は独立会計士・税理士として働いております。
独立して仕事をする上で、監査法人での経験が役に立っているので、私は監査法人で働いて良かったと思っております。
監査法人で働くメリットがある一方で、監査法人で働く負の側面もあります。
今回は監査法人で働く負の側面(デメリット)についてお伝えしようと思います。
なお、監査法人で働くメリットについては、こちらの記事をご参照ください。
繁忙期は特に忙しい・疲れる
現場は忙しい
監査法人の現場(最前線)で働いている人は「忙しい」です。
3月決算での期末監査期間(4月中旬~5月中旬)は特に忙しいです。
この時期は体力的・精神的にも、しんどいものです。
監査法人、クライアントともにサプライズがないように、事前協議して期末監査に入りますが、何かしらのサプライズが出てくるものです。
ただでさえスケジュールが厳しいのに、突発事象が出てくるとその検討に時間を費やすことになります。
かといって締切が延長されることは、まずない…。
こうなると、集中的に時間を費やして難局を乗り切ることになります。
最終的には、体力勝負になることが多いです。
やるべきことは増える一方
また、年々やるべきことが増えてきます。
金融庁に言われたから、会計士協会に言われたから、審査項目が増えたから…、とやるべきこと(監査調書の文書化)がどんどん増えていきます。
誰が対応するとなると現場が対応することになるので、現場にしわ寄せがいきます。
現場は疲弊していく一方です。
会計監査がつまらない 能力が頭打ち
会計監査は、ある意味やるべきことが決まっています。
同じ会社を担当していると、前年度調書をベースに同じ資料を会社に依頼して、同じ体裁で調書を作ってというように、自分の頭で考えるということがなくなっていきます。
特に忙しい時期だと(やるべきことが多いと)、何とかそれなりの調書作ろうとして、作業に走り考えることを放棄してしまう恐れがあります。
毎年同じことをやっているのであれば成長はない訳で、プロフェッショナルのキャリアとしては致命的です。
もし監査法人でパートナーを目指さないという選択をするのであれば、早めに見切りを付けて別の経験をすることをおススメします。
現場責任者(できれば上場企業を対象とした金融商品取引法の会計監査)を経験したのであれば、次のステージに行って良いと思います。
おススメの転職エージェントを紹介します。
・マイナビ会計士 :公認会計士の転職に特化したサービス。公認会計士の転職事情に精通しています。
モチベーションが下がる 給与が頭打ち
監査法人での年収は、初年度、残業代込みで600万円以上にはなると思います。
新卒で事業会社に就職した場合の初任給よりは、一般的に高いはずなので初めのうちは満足できるかと思います。
もちろん、順調にシニア、マネージャーとストレートに昇進を重ねていけば、年収も上がっていきます。
ただし、順調に昇進していかない場合だと、年収も職階に応じた水準に留まります。
仮に順調に昇進を重ねていったとしても、監査法人よりも年収が高い業界・会社は幾らでもあります。
パートナーになって経営層まで行くというのであれば別ですが、経済的利益を求める(お金が欲しい)のであれば、別の業界に行くことをおススメします。
ロウ
監査法人では簡単にパートナーになれません。
時間単価が低い コスパが悪い
忙しい(=長時間労働)ことと給与が頭打ちに関連することですが、結果として時間単価が低いこととなります。
特に、マネージャークラスだと残業規制もない中での長時間労働を強いられます。
世間一般では高給取り(年収1千万円以上)ですが、労働時間に見合っただけの給与をもらえているかは甚だ疑問ではあります。
良好ではない人間関係
閉鎖的な人間関係
監査法人を辞めて改めて気付くのですが、監査法人での人間関係は極めて閉鎖的です。
同じチームでなければ積極的にコミュニケーションを取ることもないですし、積極的に知り合いを増やすというインセンティブも働きません。
どのチームに所属するかで人間関係が変わってきます。
配属されたチームの上司が、バランス感覚に優れ人間的にも尊敬できるような人であれば仕事もしやすいです。
一方、配属されたチームの上司が「パワハラ」気質であったりすると最悪です。
最悪のケースでは、心の病(うつ)に陥るので早めに対処しましょう。
「パワハラ」が起きやすい環境
今では、かなり改善されていたとはいえ、一昔前の監査法人では「パワハラ」が横行していました。
事業会社を経験した自分からすると、あり得ない言動をする上司が普通にいました。
監査法人には労働組合もなく、社員(パートナー)が「絶対」の世界です。
ある意味「嫌なら辞めろ」の世界で、職員にとっては必ずしも働きやすい環境とは言えません。
もし働きやすさを最優先するのであれば、福利厚生に手厚い事業会社に転職することをおススメします。
おススメの転職エージェントはこちらです。
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まとめ
今回は監査法人で働く負の側面(デメリット)についてお伝えしました。
監査法人でキャリアを積むということはメリットがある一方で、今回のような負の側面もあります。
重要なことは、キャリアの主体は自分にあるということを忘れることなく行動することだと思います。
監査法人の次のキャリアを見据えている人は、こちらの記事もご参照ください。