会計士受験

営業マンが簿記1級を取る5つのメリット・意味【社会人出身会計士の体験談】

営業マン

営業職として働いていますが、簿記2級を取得しました。

もう少し簿記の勉強をしたいと思っているので、簿記1級の受験を検討しています。

簿記2級に比べると難易度が上がるのは分かっています。

そこまでの労力を掛けて簿記1級を取得するメリットはありますか?

公認会計士・税理士モモタロウ

私も元営業マンです。

簿記2級合格後、営業の仕事をしながら簿記1級を取得しました。

営業マンが簿記1級を目指す価値はあるので是非チャレンジして欲しいです。

 元営業出身の会計士・税理士のモモタロウです。

 経理には全く縁がなかったですが、簿記2級の勉強をきっかけに、簿記1級を取得して、最終的には会計士試験に合格しました。

社内異動・職種変更のチャンスが増える

 営業から経理の仕事をやりたい、企画系の仕事がしたいという場合に、簿記1級の資格がプラスに働きます。

営業から経理への異動

 簿記1級を取得すれば、営業職であっても自信を持って経理職へ異動希望を出すことができます。

 営業から経理という畑違いの部署に希望するのであれば、それ相応の理由が必要です。

・ノルマ達成がきついから

・お客さんのクレーム対応は疲れるから

・クセの強いお客さんの対応は大変

といったネガティブな理由では、異動希望も通りにくいでしょう。

 何事もそうですが、何らかの主張をする際には、裏付け・エビデンスの有無によって説得力が違ってきます。

 例えば、海外関係の仕事をやりたい人がいて、

 「英語ができません。英語も特に勉強していません。」

 では、海外関連の部署に異動させる積極的な理由は会社にないでしょう。

 営業から経理の異動希望を出す場合、簿記1級という圧倒的な証拠(エビデンス)があれば、経理に興味があり会社に貢献できますというアピールができます。

公認会計士・税理士モモタロウ

簿記1級取得後に営業から経理への異動希望を伝えたところ、人事からは希望を通す旨の回答がありました。

営業から企画部門(経営企画)への異動

 簿記1級を勉強すると、商業簿記ではより高度な論点(税効果会計、減損会計)を学ぶことになります。

 工業簿記では、原価計算以外に管理会計分野(意思決定会計等)を学ぶことになります。

 簿記2級と比較して簿記1級において、より高度な内容を学ぶので、当然、経理関係の仕事で役立つことになります。

 それに加えて、簿記1級の知識は全社的な戦略・企画を考える仕事にも役立ちます。

 例えば、設備投資を行う際に、この投資は本当に効果があるのか(キャッシュフローがプラスになるのか)、といったことも勉強します。

 ある意味、経営的な勉強をするということです。

 このような知識は全社的な戦略を立案する部門、経営企画部などで生かせるでしょう。

 異動希望を出す際も、簿記1級で勉強した内容を伝えれば十分なエビデンスになるでしょう。

転職で年収を上げる可能性が増える

 簿記1級を取得すると履歴書に簿記1級を記載することができます。

 もちろん簿記2級でも履歴書に書くことはできますが、決定的なアピールにはならないでしょう。

 簿記1級であれば面接官の食い付きも違ってきます。

面接官

「なぜ簿記1級を取得されたのですか?」

「簿記1級の知識をどう生かすのですか?」

 といった質問がされると思いますが、上記の質問に対しては志望理由に絡めて前向きな回答ができるはずです。

 経理職志望であれば、

転職希望の営業マン

「経理は未経験ですが、未経験の分、恥ずかしくないだけの知識を習得しようと思い簿記1級まで取得しました。」

 といった回答が可能ですし、

 営業を続ける場合でも、

転職希望の営業マン

「会社の数値をきちんと分かるような人材になりたいと思い、簿記1級を勉強しました。」

「より高い視点、経営視点を持てるようになりたく、簿記1級を勉強しました。」

 といった回答が可能です。

 簿記1級が転職活動の加点ポイントになります。

 結果として、年収が高い企業への転職可能性が高くなります。

 参考までにおススメの転職エージェントをお伝えします。

JACリクルートメント

簿記1級取得前であっても、中長期的な視点でキャリアプランの相談に乗ってもらえます。

特に料金は発生しないので一度利用してみる価値はあると思います。

営業の仕事にプラスになる

 簿記1級まで勉強すると、自社及び他社の財務諸表を理解することは簡単です。

 財務諸表の理解は営業先をより理解する上でのアシストになります。

 例えば、売上があがっているの利益が思った以上に出ていない会社に対して営業する場合であれば、コスト削減の方策を提案すると相手に響くはずです。

 また、増収増益の企業で投資余力のある会社に対しては、キャッシュの有効な活用法、将来に対する投資といった観点で提案ができるはずです。

 直接的な提案につながらなくても財務数値を分析することで、営業先の会社の問題意識がどこにあるのかを理解できるかで営業の成果も変わってきます。

公認会計士・税理士になるきっかけになる

 簿記1級合格後、さらに上の資格を目指すという選択肢もあります。

 候補としては会計士試験、税理士試験になりますが、会計系の資格なので当然、親和性があります。

 簿記1級の勉強は、会計士試験の財務会計論、管理会計論、税理士試験の簿記論、財務諸表論とリンクします。

 公認会計士、税理士は独立につながる魅力的な資格です。

公認会計士・税理士モモタロウ

自分は簿記1級合格後に公認会計士を目指すことにしました。

公認会計士、税理士になって本当に良かったです。

 今は簿記1級を受験するかどうかという段階で、会計士、税理士と言われても実感が湧かないかもしれません。

 ただ、簿記1級を取得することで次につながるステップがあるのだということは頭の片隅に入れておいてください。

 ご参考までに、公認会計士と税理士の違いについては、こちらの記事をご参照ください。

経済ニュースが分かるようになる

 簿記1級を勉強すると、経済ニュース、特に企業業績が分かるようになります。

 例えば、ある企業が多額の減損損失を計上して「○百億円の特別損失計上、赤字転落へ」というニュースが出たとします。

 会計を知らない人からすれば、特別損失の計上金額や赤字転落に目を奪われてしまいます。

 簿記1級まで勉強していれば、本業の営業利益はきちんと計上されているので主力事業は問題なし。来期以降は減価償却負担も減少して黒字に転換するな。

 といった考察が簡単にできるようになります。

 ビジネスパーソンの教養として、簿記1級まで取得しておいて損はありません。  

 ビジネスマンとしての基礎体力を上げることは、間接的にも営業の仕事にプラスに働きます。

まとめ

 今回は、営業マンが簿記1級を取得する5つのメリットについてお伝えしました。

 多くの方は、働きながら勉強することになると思いますので、資格取得するのは簡単ではないと思います。

 ただ、苦労して取得するだけの価値がある資格ではあると思いますので、是非チャレンジして欲しいです。

 簿記1級の勉強は独学では厳しくなってくるので、専門学校で勉強するのがおススメです。

 おススメの専門学校はこちらになります。

 クレアール簿記アカデミー

 まずはパンフレットを請求してみてはいかがでしょうか。